なんなら片想い中の女子みたいにベッドの上を転げまくりながら「明日楽しみすぎやべー!死ぬ!蜜可愛い愛してる宇宙一ヒャッホウ!!」って、反吐が出るぐらい死ぬほど気色悪いことも。

その流れでトランポリンの如く天井を突き破る勢いで思いっきり飛び跳ねて喜びの舞をすることも、部屋中走り回ることも(もちろん喜びの舞を続行させながら)、蜜への愛を窓から大声で叫ぶことにだってなんの恥じらいもなくやってのけてしまえるぐらいには浮かれポンチだから。

え〜、俺ほんとキモいな?


まさに病的。いや、マジで待って。これもう一生治んないんじゃないの?ニヤニヤ止まんないんだけど。「…ぐふっ、ぐふふっ、ふふっ」とかとうとう声まで零れはじめてしまって末期だ。たぶんあと数秒で高笑いしてると思うからいいか、引くなよお前たち。


「――飛也!?え、なに、どうしたの!?今すごい笑ってたよね!?テレビ!?違うよね!?なんで!?大丈夫!?」


バァンッ!!

突然勢いよく扉が開いたと思ったら、ものすごく血相を変えた母さんがそこに居て、稀に見る早口で酷く焦ったように俺を心配してくる母さん。

え、と気づいたらベッドから降りて仁王立ちしていた俺の思考は停止する。まさか…、と思ったそのまさかだった。


やはり俺は宣言通り無意識に高笑いしていたらしく、それも一階にいる母さんにもしっかり聞こえるぐらいめちゃくちゃでかい声で笑っていたみたいで。

いや、うん、ごめん母さん…。

あんたの息子はちょっとばかしテンションが上がっていただけでちゃんと正常だよ…。


母さんの登場で自殺願望が芽生えてしまうほどには恥ずかしくなった俺。赤くなった顔を手のひらで隠し、なにも聞かれたくない俺はごめんとだけ謝る。