『付き合って初めての自分の誕生日に彼女に物乞いとか、マジでダサすぎて死ねる。最悪』
俺の心の中を読んだのか、はぁあああー…、と大袈裟なぐらい盛大にため息を吐いて、この世の終わりだと言わんばかりの顔でそんなことを言う俺。
それからジロリ、鋭く尖ったナイフのような目で睨んでくる。ものすごく殺意が溢れてるのは気のせいではない……よな。うん、殺気バチバチ。
自分によくそんな目向けれるなこいつ…。
あちらも信じらんねぇという目で俺を見、俺も信じらんねぇという目で自分を見る。しかし、双方同じ信じらんねぇでもその意味は全然違う。
暫く沈黙が流れ、睨み合うだけの時間を過ごす俺と俺。
身体中を刺しまくってくる殺気が痛くてしょうがない。
睨み合っていてもダメージを受けているのは俺(オリジナル)だけみたいで、まあまあ罵られた上に向こうはダメージゼロだなんてなんだか気にくわない。
ムカつくから睨む目にさらに鋭さを加え、負けじと攻戦する。
と、口火を切ったのは向こうだった。
『マジで本気で絶対に言うなよ。俺の人生に汚点作るんじゃねぇ』
「無理。もう言うって決めた」
『ふざけんな頼むから言うな。お前のことぶっ殺して、次は俺が表に出てやるよ。ほら、死ね』
「はっ、なにもできねぇサブのくせに黙ってろ。ていうかもう消えてくんない?お前になに言われても俺の意思は変わんねぇし、蜜にも返事返したいんだけど」
『……待て。お前、蜜がほんとに忘れてると思ってんのか?』
「は…?」
なんだ、急に。