散々どうでもいいとか言っておいて結局。思いっきり矛盾してんじゃん、俺。と、浮かぶ苦笑い。
それでも一度(ひとたび)そう思ってしまったら、その矛盾はどんどんふくらんでいって。
蜜に言ってもらえる〝おめでとう〟はどんなに嬉しくて幸せなんだろうかと想像するだけで昂ぶる。妄想の中でさえも俺の胸をギューンッ!と撃ち抜いてくる蜜はやはり史上最強に宇宙一超絶可愛い。
無理、可愛すぎて死ぬ…。
けどこれはもう絶対に言ってほしい!
いや、言ってもらう!!
蜜から〝おめでとう〟をもらうことに闘志を燃やしだした俺のキーボードをフリックする指がいつも以上に素早い。
明日俺の誕生日なんだけど、と稀に見る速さで文字を打ち、いざ送信!というところで――待て、早まるな。ちょっと待て俺。はたと気づく。
言ってもらいたいけど…、自分で明日誕生日なんですぅつってアピるとかめちゃくちゃダサくね?むしろきもくね?あと数時間で18になろうとしてる男がなに言ってんだ死ねってなりません?
俺ならなる。
ううん、だけど俺がたとえそれをしたとしても蜜はきっと超きもくてかっこ悪ぃ俺のことをディスることなく、ただただ嬉しそうに俺が望むものをくれるんだ。
俺のキューティー怪獣ちゃんは最高にピュアだからね。
そんな蜜のピュアさをいいことに、最愛の彼女に醜態をさらして望みを叶えるか。
はたまたいくら蜜がピュア中のピュアっ子で俺のことをディスらねぇとしても愛する彼女に恥をさらすことはできねぇ無理。それならいっそ死んだ方がマシだと自分の欲求を抑えるか。