最近、というのだから、拒まれ始める前までは拒まれることは全くなかった。
蜜はりんごみたいに真っ赤になって、恥ずかしがりながらもちゃんと俺を受け入れてくれていたのだ。
だけど、ある日いきなり。突然。
甘い雰囲気ムンムンで、あ、これ絶対ぇキスするときじゃん!今しなきゃ男じゃねぇ!って、ヤル気満々に仕掛けたら「やだ」言われて俺、すっげぇショック。
数秒間放心してたね。うん。ダメージを受けたわけですよ。
けーど…!諦めないのが俺で。
拒否られた日から甘い雰囲気になれば必ずキスを仕掛けた。しかし、見事に毎回毎回やだと拒否られて。
なんでだよ!っていう疑問と苛立ち。だんだんと意地になってきている俺がいた。
拒む理由を無理にでも吐かせたくて、蜜が根負けしそうな、例えばさっきしたような意地悪とかいろいろ試してみたけれど。
最終的に負けるのは、俺。いっつも蜜の涙に負けてしまう。あれはずるいと思う。反則だ。
それでもめげずに何回も何回も仕掛けるしつこい俺と、やだっつって、おとなしくキスさせてくれない蜜。
可愛い顔してめちゃくちゃ強情。
そんなんが続けば、もう俺のこと好きじゃねぇのかな…とか。蜜の気持ちを疑う女々しい感情がモヤモヤ胸にわだかまりを作った。