嘘つき嘘つきと結果、機嫌を斜めにしてしまった蜜に、はいはいもうわかったからでも蜜は宇宙一可愛いって。

と、なだめるように言った蜜は~から語尾までは心の底からの本心。だけど最初の適当にあしらった感じがダメだったらしい。

蜜の逆鱗に触れてしまった。


「――もう、いい。殴る!」

「(ぎゃあ!)」


ギラリ、殺気だった色素が薄いブラウンの瞳が危なく光る。


え、蜜ちゃんマジ?本気?え、ちょっと心の準備が…!


蜜の殺気に女々しさ倍増でお送りする俺の心情。自分が殴ってくれと頼んだくせにどうしようもないこのヘタレっぷり。ダッサ!

上げたままだった右手が空気を割くように俺の頬目掛けて飛んでくるのを……しょうがない。覚悟を決めろ。男は度胸だ。


目をギュッと瞑って痛みが訪れるのを待つ――のに、すぐくると思っていた痛みは訪れなかった。

その代わりになんだか首が重くなって、唇、には。唇、は…。


「!?」


起こっている事態にはっと目が見開く。え、あ、な、何事!?てか、は!?ううう嘘だろおい!!


――唇、には、蜜の唇がくっ付いていた。