「(え゙)」


たまにしか見せない蜜のそんな表情に少しドキドキとは違った意味でドキリとする。

あ、あれ?蜜さんちょっと危ない色ムンムンでは…?


そんな蜜の名前を口にしようとした瞬間、「本気でいきます!」なんて声がいきなり上がって、一緒にビュッと右腕が上げられた。


「え…、蜜…?」

「飛也が秘密ごとするからお仕置きです」

「お仕、置き…」

「そう!お仕置き!本気でぶん殴る!」

「え、怖い!ちょ、待て、待って落ち着け。一旦落ち着こうか。蜜ちゃんどーど、」

「蜜に代わって、お仕置きよ!」

「…ぶっ、」


あ、やべ。笑っちまった。


思わぬぶん殴る発言にかっこ悪く少したじろぐ俺のセリフを遮って、突飛すぎる某美少女戦士のパクリと思われる決め台詞をキメ顔で言う蜜に思わず吹き出してしまった俺。

だって蜜、バカすぎる。

蜜に代わって、お仕置きよ!って、代わりもなにも蜜はお前だろうが。どこの蜜ちゃんの代わりしてんだよ。マジでバカ!


蜜に言われるとなんか興奮する素敵なお仕置きって言葉も、そのおバカな決め台詞で素敵さ半減。

ちょっと、笑いが止まんねぇんだけど…。いや、うん、めちゃくちゃ可愛いけどね。


耐えきれずにケラケラ笑いだした俺にグッとシワがよる怪訝な顔した蜜の眉間。