ノット意図的の上目遣いに、さらにはこてん、と不思議そうに首を傾げる仕草までもプラスして俺に大ダメージを与えてくるキューティー怪獣。
えぐい。そのダブルコンボはなしだろ…っ。
脳内の俺がぐはっと数人やられた。ちなみに脳内の俺は結構な数いる(適当)。現実の俺がぶっ倒れたらゲームオーバー。
キューティー怪獣の勝利である。
まさかの攻撃に脳内ではやられながらも現実ではなんとか耐えている(マジで気ぃ抜いたら卒倒確実)俺は「あんさ、」と。
「――一発殴ってくんね?」
「ほえっ!?」
「(くっそ…。可愛い)」
上がった素っ頓狂な声。なに言ってんの、と言いたげな感じで見開かれた瞳。ぽかーんと間抜けに開く口。うん、まあそうなりますわな。
ここでもやっぱりな蜜にクツリ、喉が鳴る。
「な、なんで!?」俺のセリフが突飛すぎるのかハテナマークをたくさん浮かべた蜜は声を上げる。
なんで、って…。
「んー…、まあダーリンの事情」
「なにそれ!」
「秘密」
「…、ハニーにも教えて?」
「(…っ!可愛すぎるって。無理可愛い)…だ、ダメ。無理。ダメ。無理可愛い」
「え?」
「(はっ!つい!)」
「…、」
「(うーん…)」
「…、」
「…ごめん、許して?お願い」
ムムムッと膨れっ面をする蜜の短い前髪を避けてチュッと見えたそこにリップ音を鳴らす。