「大丈夫か?」


ぽんぽん、と背中をあやしながら、ちょっとやり過ぎちゃったかなと反省。

でもさっきのはマジで危なかった。蜜が背中を叩かなかったら、そのまま事になだれようとしていたから。

それほどまでに理性はギリギリだったわけで。


今はなんとか一瞬切れてしまった理性を繋ぎ合わせ、蜜が回復するまで背中をあやし続ける。


蜜が回復したら、やってもらわなきゃいけないことがあるんだ。蜜の気持ちを聞いてからずっと思っていたこと。

不安やわだかまりが消えても、それとは別に胸に残る罪悪感。蜜の気持ちを疑っていたこと。

殴ってくれなきゃ気が済まねぇ。


「なー、蜜?」


蜜の呼吸が落ち着いてきた頃を見計らって。俺の呼び掛けに顔を上げた蜜と瞳をかち合わせる。


潤む瞳に涙で濡れた長いくるりん睫毛。まだ火照りが取れないのか淡い朱に染まった頬。赤い小さな唇を見るとついキスしたい衝動に駆られてしまう。


「なにぃ?」


この上目遣いがヤバいんですよねー…。意図的じゃない、ってところが胸を擽られる重要ポイント。

つーか、蜜に意図的とか絶対無理だと思うけど。なんてったってキューティー怪獣ですから。