なんだよ、そんな理由かよ。いや、そんなとか言っちゃダメだけど。蜜にとっては大きな悩み事なんだよな。超恥ずかしがり屋だからこその悩み事。
てか、もう、キス拒否ってた理由まで可愛いってどういうこと。
俺だって蜜のそのありえねぇ可愛さに毎日ドキドキして死にそうだっつーの。
いつもかっこ悪ぃから余裕ありげにキスとかしてるけど、内心すっげぇドキドキしてんだかんな。男だってそういうとこは女と変わんねぇんだよ。
それよりも桜子ちゃん、意外に結構言ってくれちゃいますね。おかげでキス拒否られたけど、こーんな可愛い蜜見れたからいいとしますよ、うん。
…あ、そういえば桜子ちゃんが言っていた〝蜜が俺に言いたいこと〟ってなんだったんだ?
まぁ、今はそれよりも、な状況だからあとで聞こ。
「かーわい、蜜」
「っう、ふええー…、」
「ぶっ。なんつー声で泣いてんの」
「とー、や、好、きぃ」
「…うん。俺も好きだよ」
ぐちゃぐちゃの泣き顔で告白してくれる蜜にふっ、と細まる俺の目。
口元は相変わらず緩んでて、胸に沁みる蜜の好きが愛しさと一緒にぽかぽか温かい。
目頭が熱くなった感覚に、蜜の泣き虫がうつっちゃったな、なーんて、それすらも愛しい。