俺の胸に押しつけていたからか眉毛より上に切り揃えられた前髪が少し乱れていて。

やっぱりまだぼろぼろ落ちてる大粒の涙にシワが寄せられた眉間、赤くなった鼻の頭とグッと噛みしめられた赤い唇。

涙でぐちゃぐちゃになったそんな顔ですら卒倒しちまうぐらいにめちゃくちゃ可愛すぎるんだからもうなんなの蜜ちゃん俺を殺したいのなんなのほんと可愛すぎるバッカッッ!!

蜜ちゃん依存性の持病を持つ俺の頭のネジが一本外れるのも致し方ないことだ。


…あ、やばい。ガチで今ふらっときた。


もはや末期である俺はしそうになった卒倒にも耐え、胸に飛んできたハートの矢をぶっ刺しながら(妄想)またにやにやにやにやむふふのふ。蜜にメロメロ~なうである。


可愛い可愛い宇宙一可愛すぎる蜜は客観的に見たらキモさ倍増の俺にはつっこまず、続きを話す。


「と、とーや、が、かっこよすぎるから~…」

「ん、……え?かっこ…?え?」

「とーやがかっこいい、から、いつもドキ、ドキして、いつも死んじゃいそ、うで、」

「…、」

「そ、れに、桜子に5ヶ月も付き合ってるんだから、え、え、エッチ、も、そろそろだね、って言われたから、」


恥ずかしかっただけ、なのぉ…。


そう付け足して、びえびえ小さな子供にまた戻った蜜に俺はふはっと笑顔が零れていた。