蜜の気持ちを聞いて不安もわだかまりも一瞬で消えて胸が軽くなった俺はぐすぐす泣く蜜に悪戯心。

ハラハラ零れていた涙を蜜にバレたら恥ずかしいから瞬きで飛ばし、ショック具合が伝わるように声のテンションを下げる。

と、蜜の細い肩は跳ね上がり、息を詰める声がしてギュッとワイシャツを小さい手が掴む。

ん~、かぁわい~。

冗談なのに(ショックだったのはマジだけど)それに気づかずいちいち反応する通常運転の蜜が俺のツボ。きゅーんときちゃいますね…。


むふふ、にやける口元をどうしたらいいですか先生。

さっきまでぐじぐじねばねば女々しく不安がって泣いていた俺はいったいどこへやら。

可愛すぎる蜜ににやにやにやにやむふふのふ。客観的に見たら今の俺、相当キモいと思う。自分でもわかってるさ、そんなこと。

でも抑えられない。口元が緩む。


そんな俺に、きゅーんよりもさらに上の上の上の〝ずきゅーん〟が容赦なく襲撃してきた。


「――…っ、ち、ちがっ、うう~…」

「(ぬおっ!?)」


ビュウウウッとどこかから超スピードで飛んできたハートの矢がグサッと俺の胸を突き刺す。

お、おおおお…っ。


か、かか、

「(かっわいすぎる…!!!)」