俺、ね。ダメなの。不意打ちにすっげぇ弱いタイプなの。たかがギュウでも俺にとっちゃされどギュウ。いきなりとかもうほんと、反則すぎ…っ。
それに不安やわだかまりでいっぱいのこの現状にこんなことされたらなおさら。
普通に焦るし、どういうことなの?疑問が生まれる。
「…っそ、そのねっ、……蜜とし、シた、い…って、思う…?」
「は…、」
「……エッチ…」
「はっ!?」
おおおおい、みみみ蜜が…、蜜が蜜が蜜が…っ!!恥じるところのない保健体育の教科書ですら読んでて赤くなる(一緒にテスト勉強したときに発覚)あのウブにもほどがある蜜が…っ!!
ちょ、え、聞き間違いとかじゃないよね?本当は〝リッチ〟って言ったとかじゃないよね!?
いや、話の流れ的にリッチとか言われても反応に困るけど。
蜜の思いもしないギュウ攻撃に心拍数の乱れようと胸の高鳴りがやばくて平常心皆無だったにも関わらず、蜜の仰天びっくり発言は聞き逃さなかったちゃっかりな俺。
ぐりぐり、俺の胸に顔を押しつけているから声は籠ってて小さかったけど確かに言われた三文字にうん。なーんて、本音がぽろり。
返事をした瞬間、ギュウ…ッとさらに背中に回る腕に力が込められたのがわかって、はっ!と気づかされる。