考えてから僅か3秒で解決。

さっき蜜とキスしたときに興奮しちゃった俺のが、ね。抱きしめたときに蜜の身体に当たっちゃってたのね。それで恥ずかしがってんのか蜜は。


「(やっぱ可愛いなぁー)」


にやにや、だらしない笑みが浮かんでしまう。

意地悪心ありありで構わずギュッと再び抱きしめれば、「ひえっ!!」蜜はビクーッとおもしろいぐらいに肩を上げた。


「蜜ちゃんのエッチ~」

「え、え、エッチなのは飛也だよっ!!やだ!」

「おい、やだとか言うなよ。男の子なんだからしょうがないの」

「…っ、だ、だって…!」

「はいはい、ごめんね?」


眉を八の字に下げて、顔を隠す手から涙がたっぷりと溜まった目だけを出してムーッと見上げてくる蜜の頭をぽんぽん、撫でながら宥める。

その、裏で。

こうやって笑って泣き虫な蜜を宥めたりするのも今日で簡単にはできなくなってしまうのかと思うと胸が、痛い。ズキズキ、痛くて、痛くて、痛くて――。


恥ずかしがる蜜を「みーつ」抱きしめ直してすりっ、と手が添えられた蜜の熱を孕んだ頬に胸の痛みを紛らわすよう自分のを擦り寄せる。


――離れないで、蜜。

ずっと死ぬまで傍にいて。

本当に、本当に本当に。これが今の俺の一番の願い。蜜がいない人生とかもうありえないから。頼むから、〝嫌いになった〟なんて言わないで。