そんな俺の脆い理性が切れるギリギリ寸前まで味わった蜜の唇からチュッ、と最後に吸って離れる。
離れて、相変わらず涙が落ちる瞳にりんごみたいに真っ赤な顔。相当苦しかったのかはぁはぁ、酸素を求める息は荒くて。
頭の上で束ねていた両手を解放してやると――ふわり、俺は優しく、でも逃げないように強く蜜の小さい身体を抱きしめた。
んー、マジで小さいな。俺との身長差27センチだったっけ?そんだけあったらそりゃ小さいよなー。小さいとこも可愛い。あー、マジで俺のもんにしときたい。
蜜をギュッと抱きしめながら、そんなことを思って出るため息。
こんなに溺れさせといて、今さら気持ちが変わったなんて酷ぇよな。まだ決まったわけじゃないけど。でももう明白に近いだろ。
俺、たぶん明日にはもう死んでると思う。生きてる俺とか想像できねぇもん。最低生きててもきっと感情が死んでる。
ギュギュギューッ。
今は蜜の返事を聞くよりもこうしてたい。だって、聞いてしまったら離れなきゃいけなくなるかもしれないじゃん。そんなのやだ。蜜とくっ付いてたい。
蜜のハニーブラウンのふわふわした髪に顔を埋めて――泣きそうになるのをこらえて、俺よりもずっと小さくて愛しい存在を確かめるようにぎゅううううっ。
と。
「……っと、とー、や、」