めちゃくちゃ女々しいのは百も承知。だけど蜜に〝別れたい〟そう言われるのを想像しただけで目頭がカッと熱くなる。


マジで好きなんだ。本気で、世界一。友達とか、家族とか、そんなん二の次。誰よりも好きな女で、絶対手放したくない唯一の存在。

一生死ぬまで大事にしたい大切な女(ひと)。


心の底からそう思える女(ひと)に出会える気はもうしない。

蜜と別れたら蜜と出会う前の俺に元通り――いや、それ以上にもっとふらふらして、人間的にダメなやつになっちゃって。そのまま人生を終えるんだ、きっと。

…あ、ダメだ。めちゃくちゃ寂しいやつじゃん、俺。

そんで、蜜がいないその人生は中身がないんだ。空っぽで、喜怒哀楽も表現できなくて。たぶん、なんかもう死にたくなると思う。


他のやつにそれを話したら大袈裟すぎんだろって笑われるだろうけど。

本当にそんな人生になったらまともに生きてはないだろうと決めつけてしまえるから、俺にとっては大袈裟なことじゃなくて。

蜜を失うってことはなによりも大きな損害。

蜜がいるかいないかで俺の将来は正反対に違うんだ。


「飛也、先輩…?」