甲板に出て、エリーは海を眺めていた。
キラキラと輝く海は、なんだか眩しく感じる。
船の上では、賑やかな声が響いている。
エリーはその声の心地良さに目を細めた。
「エリー」
綺麗な声で呼ばれ、エリーは振り返る。
サラだ。
その手には、ガラスでできた小物入れのような箱。
しかしあちこちに不自然に穴が開いている。
不思議そうにしていると、それに気が付いたのか、サラはその箱を優しく撫でた。
「……呼吸ができないと、困ると思って」
「呼吸?」
謎は深まるばかり。
エリーが首をかしげると、サラはその箱をエリーに差し出してきた。
それを受け取り、エリーは箱を見つめる。
どこか、光っているような気がする。
エリーは箱を開けてみることにした。