到着した場所は、火炎の都、フランメだった。
「最高の場所だろ?」
「そう、ですね」
エリーは苦笑しながら答える。
シェルにとってフランメが最高の場所であることは認識しているが、どうして連れてこられたのだろう。
エリーは不思議に思いながら、街を歩いていく。
相変わらず、街のあちこちに炎が力強く燃えている。なんだか少し熱い。
エリーは前回フランメに来た時のことを思い出していた。
すれ違う人の中に、時々鬼の姿が見える。
そういえば、サラの父も鬼だった。
そんなことを思っていると、ちょうど思い浮かべていた緋色の長い髪が目に映った。
「よ、サラ」
シェルが挨拶をすると、サラは頷いた。
そしてエリーに目を移し、少し目を泳がせる。
まるで何かを探しているようだ。
どこか不思議そうな表情をして、そして真っ直ぐにエリーを見つめた。