「エリー」

朝食を食べ終え、食器をエリーが片付けていた時。
ウィリアムがエリーの名を呼んだ。

「はい」

自分から言ったことだが、エリーはまだウィリアムに名を呼ばれることに慣れていない。
少しドキドキしながら、エリーはウィリアムの言葉を待つ。

「準備してくれ」

「……準備?」

「これから、エリカの墓参りに行く」

「えっ」

その言葉に、エリーは驚いた顔をする。
何も聞いていなかった。

「わ、わかりました」

そう言って、エリー片付けた後準備をするため部屋へと戻って行った。
リヒトはまだエリーの枕の上で寝ていた。