宿の前で皆と合流する。
リートやシャールもまた美しく着飾っており、男性陣はスーツを着ている。

「あ、ダニエルさん」

「おはよう、エリーちゃん」

「おはようございます」

「とっても綺麗だね」

「あ、ありがとうございます」

ダニエルの言葉にエリーは頬を染める。
やはり直球で褒められるのは、どこか恥ずかしい。

「エリー」

そう名を呼ぶのは、ウィリアムだ。

「ウィリアムさん」

「……」

「ど、どうかされました?」

黙るウィリアムに、エリーは不安そうに首を傾げる。

「……すまない。見とれていた」

その言葉にエリーは熱を出したかのように顔が熱くなるのを感じる。

「そ、そんな……。ウィリアムさんも、素敵です。とっても」

そう言って両手で頬を押さえる。
そんな姿を見て、ウィリアムは微笑んだ。

「……行こう」

「はい!」

皆で歩き出し、祭りを楽しむ人々の中へ紛れて行った。

食べ物は海産物メイン。
飲み食いをしながら、エリー達は屋台を堪能した。

しかし、泡沫祭は夜になってからが本番とのこと。
エリーは楽しみにしながら、祭りを楽しんでいた。

リヒトもまた飲み食いを堪能している。