「エリー、これも」

「はい?」

そう言ってアンナはエリーの頭に何かを乗せる。
鏡を見てみると、花の冠を頭に乗せていた。

「似合うわよ」

「わぁ、ありがとうございます!」

にこにこするエリーに、嬉しそうなアンナ。
サラも穏やかな表情をしている。

「お祭りっていつもこうしてお洋服が用意されているんですか?」

「まぁね。着たい人だけ予約しておくって感じだけど」

そう言ってアンナは笑う。
そんな彼女は耳の上に花を挿していて、緑メインのワンピースを着ている。
姿勢よくこちらを見ているサラは、茶色のワンピースに、髪を花の紐で結わえている。

皆とても似合っている。

「じゃあ、そろそろ行きましょうか」

「はい」

「……うん」

三人が揃って玄関へ向かうと、そこにはウィリアムたちが既に待機していた。
エリー達ほどの華やかさはなかったが、やはり素朴な色合いの服を着ている。

ウィリアムと目が合い、エリーはふわりと微笑んだ。

「お待たせしました!」