「ごめんなさい……。だけどこんなの、あんまりです。だってあおいさん、手術を受けるって決意したのに。
手術が成功すれば、元気になって、これからはずっと二人で一緒にいられるはずだったのに。遊園地だって旅行だって、どこにだって行って、今まで一緒にいられなかった時間の分、たくさん思い出を作れるはずだったのに。
……こんなのって、残酷すぎる」
白露は冷たい指で、そっと愛梨の頬を流れる涙を拭った。
「そうでしょうか?」
「え?」
「ただ、残酷なだけでしょうか?
愛梨。昭平さんが亡くなるのは、確定していました。だけどあおいさんの運命は、まだどちらに進むか完全に決まっていません。もし昭平さんと仲違いしたまま彼が死に、あおいさんが自分を責め、生きることに絶望して手術を受けるのをやめれば、彼女の命も寿命通り、あと数ヶ月も待たずに尽きたでしょう。
けれど昭平さんが命をかけて自分の気持ちを伝えたことで、あおいさんは手術を受けようと決意した」
愛梨はその言葉をかみ締めるように、力強く頷いた。
「人間の命は儚い。どんなに元気そうに見せても、いつその炎の灯火が消えてしまうか分からない。
私の持つ過去に戻る力では、直接的に人の運命を変えることはまず不可能です」
どこかでチリンと、鈴の音が鳴り響くのが聞こえる。
手術が成功すれば、元気になって、これからはずっと二人で一緒にいられるはずだったのに。遊園地だって旅行だって、どこにだって行って、今まで一緒にいられなかった時間の分、たくさん思い出を作れるはずだったのに。
……こんなのって、残酷すぎる」
白露は冷たい指で、そっと愛梨の頬を流れる涙を拭った。
「そうでしょうか?」
「え?」
「ただ、残酷なだけでしょうか?
愛梨。昭平さんが亡くなるのは、確定していました。だけどあおいさんの運命は、まだどちらに進むか完全に決まっていません。もし昭平さんと仲違いしたまま彼が死に、あおいさんが自分を責め、生きることに絶望して手術を受けるのをやめれば、彼女の命も寿命通り、あと数ヶ月も待たずに尽きたでしょう。
けれど昭平さんが命をかけて自分の気持ちを伝えたことで、あおいさんは手術を受けようと決意した」
愛梨はその言葉をかみ締めるように、力強く頷いた。
「人間の命は儚い。どんなに元気そうに見せても、いつその炎の灯火が消えてしまうか分からない。
私の持つ過去に戻る力では、直接的に人の運命を変えることはまず不可能です」
どこかでチリンと、鈴の音が鳴り響くのが聞こえる。