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「ほら、買ってきたぞ」


 昭平の声で、考え事をしていたあおいははっとしたように顔をあげた。

 昭平は不思議そうにあおいに問いかける。


「……どうした? 具合悪いか? 人混み平気か?」


 あおいはふわりと微笑んで、焼きトウモロコシを受け取る。


「平気平気。次は何を食べようかなって考えていただけだから」

「そうかよ」

「トウモロコシ、二人で半分だとちょうどいいね」


 あおいはニコニコしながらトウモロコシにかぶりついた。 

 トウモロコシを食べ終わると、二人はかき氷を購入する。

 かき氷を食べながら歩いていたあおいは、昭平の顔を見て声をあげた。


「昭ちゃん、大変だよ!」

「何だ?」

「舌が青くなってる!」

「ブルーハワイの味を食べたからな」

「ダメだよ昭ちゃん、私みたいにいちご味を食べないと」

「舌が青くなるのを気にして選んでいたら、一生いちご味しか食べられないじゃないか。俺はそんな退屈な人生、ごめんだね」


 その言葉にくすくすとあおいが笑う。

 ストローでシャクシャクと氷を溶かしながら、あおいは目をぱちぱちと瞬かせる。