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 次に意識を取り戻した時、和田はなぜか公園のベンチに座っていた。

 気温の低さに、ぶるりと震える。どうやら季節は冬のようだ。


 和田は頭を傾げる。

 さっきまで妙な店にいたはずなのに、一瞬で景色が変わってしまった。やはり夢だったのか。

 そして自分の身体がやけに軽いのに気付き、再び首を傾げる。

 彼らは過去に戻れると言っていた。


 和田が妻にプロポーズをしたのは、もう二十年以上前の話だ。もし本当にその時に戻ったのなら、体型が現在の自分と違うのも当然だ。

 和田はまさかと疑いながら、公園のトイレに駆け込む。

 そして鏡にうつった自分を見て、悲鳴をあげた。


「ええええええええええ!?」


 和田は鏡に顔を寄せ、食い入るようにその姿を見つめた。

 鏡に映っているのは、確かに二十代の頃の和田だった。

 時間を遡っているというのは事実らしい。

 自分など、若返ってもそう変化はないと思っていたが、現在の和田と比べると変化は歴然だった。

 この頃の和田は、まだ三段腹ではない。

 髪の毛もふさふさとしているし、肌にもハリがある気がする。

 それに顔つきが、未来への希望に満ち溢れている。……ような。頬がたるんでいないからそう見えるのだろうか。