「そういえば今日がたしか、ひかりさんとパフェを食べるはずの日ですよね」


 白露に事前に聞いていたから、鏡華がパフェを食べに行く日付は覚えていたのだ。

 いつも強気な鏡華が珍しく、憂鬱そうな表情でそれを認めた。


「そうね。そしてその翌々日が、コンクールの当日よ」

「でもそこまで嫌いな人間と、よくパフェなんて食べに行きましたね」


 鏡華はぎらりとした目つきで愛梨を睨んだ。 


「ひぇっ!」

「行きがかり上、仕方なかったのよ!」


 ――あの日のことは、今でもよく覚えている。