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　白露の店でパフェを食べた鏡華が目を開くと、バレエ学校の寮の自室にいた。

　鏡華は眉をひそめ、ベッドから上半身を起こす。


「本当に一瞬で、瞬間移動した……。過去に戻ったの？」


　愛梨と白露は笑顔で頷いていた。

　半信半疑ながらも、鏡華は普段通りの生活習慣と同じ行動を取ろうと考えた。


　時刻は朝の五時だ。

　食堂で軽く朝食を食べ、部屋で軽くストレッチをし、制服に着替えて荷物を持って、寮を出る。そして学校まで、徒歩十五分ほどかけて移動する。


　学生証をカードリーダーに読ませて裏口の扉を開くと、まず最初に職員室へ寄る。

　早朝だから、学校内はしんと静まり返っていた。

　誰もいない学校というのは、ちょっと気味が悪いなと愛梨は思う。


「まだ誰もいませんね」


「この時間は、人がいないのよ。あたしはレッスン室が使用可能になる朝六時から踊りたいから、特別に許可をもらって鍵を開けてるの」


　職員室の鍵掛けからレッスン室の鍵を取ろうとした鏡華は、そこに目当ての物がないことに気付き、小さく舌打ちした。


「この日を過ごすのは二回目だから、知ってるけどね。やっぱり先にあいつがいるみたい」