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「本当にあたしのことが分かるのね。あの日食べたフルーツパフェにそっくりだわ」


 さっきまでの警戒していた様子を少しだけ解いて、鏡華は感心したように白露と愛梨を見上げる。

 鏡華の驚いた表情はどこにでもいる普通の少女そのもので、愛梨は少しほっとした。

 さっきまでの鏡華は鬼気迫るといった様子で、この世のすべてが敵だと考えているような態度だった。


「これって、食べたら太るの?」


 白露が落ち着いた声で答える。


「普通のパフェ相当のカロリーはございますけれど。やめますか?」


 鏡華はスプーンを手に取ると、むっとしたように眉を寄せた。元々きつい目つきがさらにきつくなる。


「一応聞いただけよ。こんな所まで来て、今更やめないわよ。体重管理に気を遣ってるから。これ食べたら、終わった後有酸素運動四時間増やさないと」


 愛梨は思ったことを素直に口にする。


「ストイックなんですね」


 鏡華は意地悪そうに口端を上げ、スプーンで愛梨の顔を指す。


「そこまでストイックな人間が、他のダンサーにケガをさせるなんて納得いかないって顔してるわ」

「わ、私は……」


 鏡華はスプーンを口に運び、ぱくりとパフェを頬張る。


「ん、おいし」