新学期が落ち着いた頃。 私は初めていっちゃんとお姉ちゃんの新居を訪ねた。 右手には新学期からのクラスメイトに教えてもらった流行りのスイーツを持っている。 「騙されたと思って試してみてって」 言われて、連れていかれて、自分のお財布で買わされて。 そうして食べたそのお店のマドレーヌは私のスイーツ史上最高の美味しさだった。 その最高マドレーヌを持って訪れたいっちゃんとお姉ちゃんの新居。 その新居で一番明るく暖かい場所には小さな木製のベッドが置かれていた。