いままで、自分の力だけでがんばろうとしていてうまくいかなかったけれど、友だちの力をかりると、少しずつでもとべるようになっていたのでした。


この夢からさめたら、男の子は本番の日をむかえることになります。


男の子は、とにかく緊張していました。


そんな男の子に、女の子は男の子に伝えることがあったのです。



「あのうさぎはね、もともと弱虫で、うさぎのくせにジャンプ力もなくって、とってもどんくさかったの」


きもちよさそうに草むらを走る白いうさぎは、月の明かりにてらされてとてもきれいにかがやいています。


「そうは、見えないね」


そうよね、と女の子は笑いました。女の子の白いワンピースも、うさぎと同じようにかがやいています。