とても温かくて優しい手が私から離れた時、白い光の中で……
幸野君が微笑んだような気がした。
どうしてかなんて分からない。
勝手に溢れてくる涙が、止まることなく頬を伝う。
なんで、私どうして泣いてるの?
この温かい涙は……なに?
「浅木だってきっと、奈々の言葉を待ってる。大丈夫だよ、奈々がいい奴だってこと、俺は知ってるから」
「幸野君!私が泣いたら……その時は……」
白い光が全身を包み込み、ついに幸野君の姿が見えなくなった時……。
声が聞えた気がした。
私を呼ぶ、優しい声。
頑張れっていう、幸野君の声が……。
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