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実行委員以外にも、クラスのみんなが積極的に参加してくれたおかげで準備は順調に進み、ついに文化祭当日を迎えた。


準備期間中は修司と一緒にいられる時間も多く、今まで知らなかった修司のことも沢山聞けた。

リーダー向きだという私の分析は当たっていて、中学の時は生徒会長をしていたこと。

モテ期は小学校六年の時で、バレンタインに十二個もチョコレートをもらったとか。

中二の時、陸上部の大事な大会の前に怪我をして人生で一番落ち込んだことも。

毎朝バナナを食べてるとか子供みたいにピーマンが苦手とか、そういう小さいことまで沢山、修司を知ることができた。



今まで自分はあまり運がない方だと思ってて、『ラッキー』とか『ついてる』なんて出来事は思い出す限りほとんどない。


でも、この高校に入って四組になって、文化委員に立候補したことだけは、神様が味方してくれたんだと思えた。



「文化祭楽しみだね」

ホームで電車を待っていると、香乃が準備中に撮った写メを私に見せてくれた。


「うん、凄い楽しみ。ホットドッグ、クラスが落ち着いたら食べに行くからね」

「ほんと?私も行くから!ちなみにお勧めの味は?」

「絶対ハチミツバター!」


私が提案したハチミツ味と、修司が提案したバター味、これを一度遊びで混ぜてみたら想像以上に美味しくて、そのまま採用になった。

つまり、二人の合作。最高傑作。


「へー、甘じょっぱい感じなのかな?楽しみー」

香乃はその場で楽しそうにピョンピョンと飛び跳ねながら、大きい目を細めて笑った。


「あ、電車きたよ」

電車に乗り込むと、いつもより早い電車に乗ったからか少し空いているような気がした。


「そっか、今日K高校も文化祭だもんね、もっと早く行く人もいるのかも」

私がそう呟くと、香乃は吊革に掴まりながら辺りを見渡していた。


「どうした?」

「今日、修司いないね」

「ああ、なんかソワソワするから早く行くって朝LINEがきたよ」

「そっか、なんか修司らしいね」

「うん」