「あとさ、園田君じゃなくて修司でいいよ」 「私も……奈々でいい」 毎朝乗る電車の中で、まず一番に探していたのは、修司の姿だった。 変わらない通学電車、変わらない彼の横顔。 私はいつの間にか、恋をしていたんだ。 窓から見える景色がどんなに綺麗だったとしても、何も覚えていないくらい、私は修司を見つめていた。 だけど……。 ーーーさよなら、通学電車。 ・ ・ ・ ・ ・