『ご主人様は小説家になるのが夢なのでしょう』 コロコロと楽しそうな彼女の声が蘇る。 彼女は何者なんだろう。 雀です……いや無理でしょう。 願わくは 今夜の事が夢であり 明日になれば 彼女の存在が消えてますように。 扉の外から聞こえる 調子っぱずれな歌声を無視して 僕は原稿の最終チェックをしながら、心の底から神様にお願いしていた。