「こんなんで、だまされませんからね」
目を赤くしてアイスを食べるスズメ。
ハーゲンダッツの在庫があってよかった。
大人しくアイスを食べるスズメを見ながら
さっきの彼女の発言の正しさを思う。
スズメの言った通りだ。
僕はひとりじゃ何もできない。
寂しさに慣れたへタレた男。
不完全な男。
ダメダメ人間。
「……ご主人様」
「ん?」
「……ごめんなさい」
「いいよ」
「でもスズメの気持ちも、わかってもらえたら嬉しいです」
「うん。ありがとう」
心から僕がそう返事をすると
スズメはそれが伝わったように、嬉しそうな顔をした。
とっても可愛らしい笑顔で
僕はずっと
その顔を見ていたかった。