困ったな。

「スズメ……ごめん」

「そうやってすぐ謝って、丸く収めようとする」

「うん。ごめん」

「ご主人様はスズメの気持ちをわかってくれない」

そしてまた号泣。

「スズメはご主人様に幸せになって欲しいんです。それが助けられたスズメの義務なんです。ご主人様はひとりじゃ何もできません。恋愛もできません。孤独が普通って思ってます。それは違います。ペットだって飼って欲しいし、ひとりよりふたりが楽しいって思って欲しいんです」

胸にナイフを突き刺された気分。

「寂しさに慣れたらダメなんです。へタレちゃダメなんです」

僕は号泣するスズメの傍に寄り
よしよしって頭を撫でた。

「その中途半端な優しさもダメなんです。もう全部ダメなんですご主人様は!」

泣き声がもっと大きくなる。
この声だけ近所に聞かれたら、虐待で訴えられそうだ。

僕は溜め息をして立ち上がり、冷凍庫から高級アイスを取り出した。

「食べる?」
スズメの頭にそっとのせたら

「……ストロベリー」って返事が返る。

鳥は頭に目が付いてるのか?