「何が気に入らない言われても……」
「あんな完璧なメスはおりません!」
メスって……。
「次は必ず仕留めましょう」
捕獲せよって話?
その意気込みが怖いわ。
ちょっとここら辺で軌道修正しないと、変な方向に行きそうだな。
僕は深呼吸して
鼻息の荒い彼女に諭し出す。
「スズメの気持ちは嬉しいけれど(本当はそんなに嬉しくないけど)僕は無理に木之内さんと付き合う気はないんだ。このままでいい」
「つがいになりたくないんですか?」
「うん。特にいい」
特にひとりで不自由はない。
僕はこのままでいい。
頭の中でそう思っていたら
「ご主人様はダメです。そこがダメなんです!」
叫ぶようにスズメの反論。
穏やかに話し合って
納得させようと思ったのに
逆に僕の発言は火に油を注いだよう。
「ご主人様はいつもそれです。最初から全てをあきらめてます。もっと押さないとダメなんです。幸せは自分からつかみに行かないとダメです。どうしてわかってくれないんですかもうっ!スズメは期間限定なんですよ」
って
うわーーーーーん!と号泣。
大きな声で泣きまくり
ソファのクッションに顔をつぶれるぐらいに自分で押しつける。
そこまで泣くか。