早く帰って来て怒られた。
自分の家なのに怒られるって、よくわかんない。
「『心が揺れなかった』はぁあ?何をその年齢で甘っちょろい事を言ってるんですか!」
年下の女の子に、ここまで言われる自分が悲しい。
あの後
木之内さんの高級マンションに到着し
フロントに居る24時間勤務のコンシェルジュの手を借りて、彼女を部屋まで送り届けた。
かなり酔ってたから
明日は大丈夫かな?
平日に誘うのが間違ってたかも。
部屋に誘われたけど、強制的に部屋に押し込んで僕もそのまま家に戻る。
いやー凄い立派なマンションだったなぁ。
さすが社長令嬢。
「ご主人様っ!もう本当に」
スズメはソファに座る僕の前に仁王立ち。
「今日はご主人様は卵を仕込んで帰らないって思って、BSの石川さゆり特集をじっくり観ようと思ってたのに、こんなに早く帰るなんて」
そこ?
「あ、ごめん。いいよ石川さゆりさん観て」
「録画してるからいいんですっ!」
また怒るし
しかも録画してるし。
「何が気に入らないのです?」
目を細めてスズメは僕に聞く。
いや怖いわ。