スズメが来てから
ちょうど一ヶ月が過ぎた。
仕事が忙しくなり
休日出勤や残業などもあり
何となくバタバタしているうちに追い出す事もできず。
はや一ヶ月。
こうなったら
あと二ヶ月ぐらい
置いてやってもいいかなぁって……勢いで思う僕。
かなり洗脳されてるかも。
僕も飛べるかも。
スズメは料理も掃除も完璧で、清掃業者のバイトに励む。
「ご主人様っ。どうしましょう『正社員にならないか?』ってスカウトされました」
すごく嬉しそうに僕に報告。
でしょうね。
手際が良くて、高層ビルの窓拭きも喜んでやる子は大歓迎でしょう。
「スズメも正社員になって、チーフみたいに社内の人事異動を握るぐらいの実力を持ちたいのですが……」
そこっ!そこ違うっ!
人事は握らなくていいっ!掃除に集中して下さい。
「スズメはあと二ヶ月で、ご主人様の元から離れて普通のスズメに戻らなければいけないので、残念ながらお断りしました」
「あーそーですか」
「もう少し、感情を込めてお返事して下さい」
目を細めて僕に怒る。
今度作る目薬のキャラそっくり。
スズメは朝早く起きて
ベランダで仲間と会話を楽しみ
完璧なる朝食を用意し
完璧なるお弁当を僕に持たせ
夜はまた
完璧なる夕食を用意する。