土日はまったり過ごし
すっかりスズメのペースとなる。
朝、起きたら
いつものようにスズメがベランダから僕を見て飛び出してきて
「ご主人様大変です!」
丸い目を大きくして僕に訴える。
「なっ……何?」
何かあった?どうしたの?
「今、ベランダで友達に聞いたんですが、近所の商店街でタイムサービスです。玉子がおひとり様80円です!」
「あっそうなの」
友達って誰?って突っ込みたいけどガマンしよう。
休みの朝から混乱したくない。
キラキラした目でスズメは僕を見て
「おひとり様1パックなんです。スズメは2つ欲しいんです」
切なる願いの顔。
うーん。
きっとベストアンサーはこうかな。
「あとから一緒に買いに行こう」
「ありがとうございます」
朝から元気に声を出し
スズメは朝食の支度を始める。
「今日はフレンチトーストにしました」
三日前に来た女の子は
すでに部屋の主って感じ。
この心地良さに慣れてはいけないのだけれど
彼女と過ごす時間は優しい光に包まれたように
僕を癒してくれていた。