昨日の和食も美味しかったけど
今日のビーフシチューも絶品だった。

家に一流シェフが住んでるようだ
部屋も綺麗だから
一流の家政婦かもしれない。

でもその正体は雀……らしい。
しかも不思議な雀。

食後のコーヒーもミルを使って豆から挽いて淹れてくれる。

元気で明るい女の子。

たった二日間一緒に過ごしただけで
彼女の存在感は大きくて

きっと
居なくなったら僕は寂しくなるだろう。

だから早く追い出したかった。

失うのをわかってるなら
出会いたくない。

「お弁当いかがでした?」

食器を洗いながら振り返り、目を輝かせて僕を見るスズメ。

「うん。美味しかったよ」って返事をすると、泡だらけのスポンジを持って「やったー」って叫ぶ。

「美味しかったけど……」

「はい」

「キャラ弁はやめてほしかった」

「くまモンはダメでした?」真剣に聞かれた。

食堂でお弁当箱のふたを開けると、海苔を使った見事なくまモンが現れて、僕は誰にも見られないようにガードをしながら中味を一気に食べてしまった。

「ですよねー。ダメですよね」
彼女にしては珍しく反省し

「もっとインパクト欲しいですよね。来週はガンダムにします」

いやそうじゃなくて!!