今日は外回りもなく
午後イチ会議前に細かい雑務に集中しよう。
身体が軽くて朝から調子がいいのは
昨日ソファで熟睡したせいか
エゴマオイルをキッパリ拒否したせいなのか。
きっと後者。
『エゴマは身体にいいんですよ!』
ほぼ争いながら
それだけは許してと、黒酢サプリだけ飲んで玄関から飛び出した僕。
「亀ちゃん今日フットワーク軽そう」
書類の山に囲まれた中岡が甘えた声を出す。
甘え上手な中岡君。
僕が女子ならその甘い声と甘い顔に騙されて、仕事を手伝うんだけど
うーん残念。
「自分でやりなさい」
ポンと背中を叩いて僕は席を立ち、書類を持って広報部に向かう。
「亀ちゃんの鬼っ!」
背中に浴びる声も清々しく聞こえる。
熟睡って大事だな。
昔から眠りが浅く
嫌な夢を繰り返し見るタイプなので熟睡がてきない僕。
もう慣れてしまったから
あきらめていたのだけれど
昨日は寝れた。
ソファの上で1時間半ぐらいだけれど
本当に気持ちよく寝れたから身体が楽。
泣きながら……寝てたけどね。
いつも家族の夢を見る時は、うなされて汗をかき苦しい想いをしてるけど
昨日の夢は違ってた。
父と母と兄が出て来て
笑っていた。
楽しく家族で話をしていて
みんなで笑ってた。
あんな夢は初めてだった。
スズメの歌った曲を僕は知っている。
思い出せないけれど知っている。
彼女は何者なんだろう。