鈴芽をむかえにきたのは
しらない
おじさんとおばさん。
あ、みたことあるかも。
海であそんでたら「うちの敷地から出ろ!このクソガキ」っておこってた人だ。
いじわるな
ホテルのおじさんとおばさんだ。
お母さんがパートしているホテルの人だ。
おばさんの方が年をとっている。
「母さんこんなガリガリなチビもらって、どーすんだよ。風俗にも売れないし俺も遊べないよ」
おじさんがわたしのスカートを引っぱるから、コワくてにげたくなった。
「バカ言うんじゃないよ。これから死ぬまで働いてもらうんだ。500万持ち逃げされた分、一生タダ働きだから安いもんさ」
「あと10年待って、俺のおもちゃにしてもいい?」
「好きにしな。いいかい小娘」
おばさんがマジョみたいなかおで見て
わたしのうでをギューってつかむ。
いたい。すごくいたい。ツメがささってる。
「あんたの母親が、あんたを残して金持って逃げ出した。あんたは借金の代わりに働くんだよ。いいね。それが嫌なら1千万の現金を持っておいで」
こわい
こわいよお兄ちゃん。たすけに来てよ。
おめめをギュッとしてお兄ちゃんを心でよんだけど
お兄ちゃんは来てくれなくて
だれもたすけてくれなくて
わたしは
いじわるなホテルのおじさんとおばさんにつれられて
びょういんとサヨウナラした。