お兄ちゃんにおねがいされたのが
とってもうれしかった。
「いいよ。大きいのひろってくる」
「大きくなくていいんだ。小さいのを二つでいいよ」
お兄ちゃんはまた笑う。
「いいよ。そのかわりおうたをおしえて」
「もう覚えたろ」
「カンペキにおぼえるの」
「完璧って生意気だなぁ」
お兄ちゃんはそういって
わたしに、やさしいうたをおしえてくれた。
「あーぁ早く退院してお兄ちゃんに会いたい。そして謝りたい。僕があの夜、蛍が見たくて別の道を行ったから、あんな事故に合ってさ」
「ホタル?」
「うん。僕のお兄ちゃんは反対したけど、僕がワガママ言ったんだ。だから謝りたい。鈴芽ちゃんには関係ないね。ごめんね。さぁ続きを今度はひとりで歌ってごらん」
おうたをおしえてくれる
やさしいお兄ちゃん。
大すき。