夏休みだから
家にいてもアツいし
だれもいないから
わたしは毎日お父さんのびょういんにいる。
ずーっと
ねてたお父さんだけどね
きのうから目をあけてくれたよ。
かおがキズだらけで
目も少ししかあけれなかったけど
「鈴芽」ってわたしの名前をよんでくれて
とってもうれしくて、なみだが出た。
そしたらお父さんもないていた。
「鈴芽。ごめんなー。お父さんがこんなんなってごめんなー。お前だけが心配だよ」
お父さんはずっとないてる。
「あぁもう終わりだ。とんでもない事故を起こしてしまった」
ずーっとそんなことをいってたら
コワいかおした大人の男の人が2人とおいしゃさんがきた。
「警察の者です。少しだけお話を聞かせて下さい」
ギュウギュウってお父さんのベッドにきたから
わたしはへやから出てしまう。
あーぁ
せっかくおはなししてたのに。
もう少しおはなししたいのに。
「児童福祉課に連絡してんのか?あの子ネグレストの疑いがある」
「母親が否定してるんですよ。学校にも行かせてるし面倒も見てるって」
「病院で自分の子を怒鳴って殴ってる噂だぞ。もう一度調べさせろ」
私の方を見て
大人の人たちはそういった。
わたしはお母さんにつねられた手の赤いところをかくして、いっぱいろうかを走ってしまう。
お母さんはおこる。
「あんたのせいで、私の人生は終わった」
「私はあんたの犠牲者だ。まだ若いのにこんな田舎で生活するなんて」
そして
つねったり
けったりする。
お父さん。
早くお家にかえってきて。