太陽が沈む時間
レンタカーはカジュアルレストランの駐車場に入った。
服装にはうるさくない
ジーンズで入れるイタリアンレストランだけど味は完璧。
中岡君の超おススメ。
本当に彼は仕事も凄いけど
別の意味で全てに凄い。

「スズメ。もう起きていいよ」
軽く頬をペチペチ叩くと

「うーん……イルカにつぶされる……」
苦しそうな返事が返る。

どんな夢見てるの?

柔らかな髪をもう一度触ると
今度は安心した顔をした。
夢の中でも表情がコロコロ変わるんだね。おもしろい。

顔を寄せてキスしたい衝動を深呼吸でこらえ
「ほらスズメ起きろ」乱暴に彼女を起こしてから、寝ぼけるスズメと共にレストランに入る。

スズメは店の広さに驚いてから
たくさんのメニューを見てまた驚く。

「好きなの食べていいよ」

「贅沢すぎる日です」

ここでは彼女は遠慮せず
色んな食べ物を注文し完食。

ひと口ずつ食べながら
難しい顔をして頭を悩ませる。

「オリーブオイルと酢とバジルと……」
食事を楽しむというのか分析してる。

料理と闘ってる雰囲気。
まぁいいか
彼女が楽しんでるなら。

笑顔が広がったのはデザートのアイスを口に入れた瞬間。

これ以上ないってぐらいの笑顔。

簡単すぎて笑ってしまいそう。

こんなに喜ぶのなら
もっと色んな場所へ連れて行けばよかった。
気が利かなくてごめん。