『あー?上野?何で知ってる?そうそう、漆原とは昨日別れた』
ちょっと驚いた感じで、湊は私に教えてくれた。
やっぱ別れたのか。
『なした?お前が狙ってるとか言うなよ』
などと可愛い冗談を言ってくれるけど
上野は私のタイプじゃない。
顔は好きだけど、彼女をコロコロ替えるから好きじゃない。
私は湊にさりげなく
美音ちゃんが上野の事を気にしてると言うと……。
『あーそれムリ』
ズバッと言われた。
「返事早いし」
乙女な美音ちゃんの為に、もう少し悩みながら返事しろよ。
「美音ちゃん可愛いよ」
多少の筋肉と天然はあるかもしれないけど。
顔も可愛いし性格もいい。
『お前さぁ。デートの最中で怪人現れたら、急に変身されて置いてきぼりのぼっちにされるんだぜ』
「それは、しゃーないじゃん」
『それは悲しすぎるよなーって、こないだみんなで話してた。そんでその時に上野もいた』
「嫌なヤツら」
『上野よりさー、井上とか前田はどう?』
「おたくのクラスの学級委員と風紀委員の?」
『そーそー。あいつらオタク入ってるけど、いいヤツらだよ。ほのぼの癒し系でお似合いじゃね?』
私もそれを願ってるけど
美音ちゃんは拒否してる。
あくまでも
チャラいタラシの上野がいいらしい。