美音ちゃんは天使のような優しい顔で、上野に向かって静かにうなずいた。

そして
思いっきりダッシュして
カピパラの上でジャンプする。

垂直に綺麗なジャンプをし
「うおりゃーーーつ!」って肘を鋭く突出して、カピパラの胸に突き刺す。

カピパラは苦しそうにも悶えるけれど、美音ちゃんの容赦はない。
カピパラの首をむんずと腕で捕え
またジャンプして膝を着いた。

アスファルト越しに衝撃が伝わり、カピパラはグッタリ目を回して倒れた。

美音ちゃんの勝利。
てか強すぎ。

遠くからサイレンの音が響き

私は湊を支えながら美音ちゃんを見ると

美音ちゃんは居なくなってしまった上野の姿を追いながら

ポロリ

涙をひとつこぼしていた。