美音ちゃんの太ももが私の目の前をかすり
カピパラの顔にスマッシュヒット!

「ぐえぇ」って変な声を大きく出して、カピパラはふらつき膝を付く。

「美音ちゃん」
怪人の腕が緩んだ隙に私は抜け出し、美音ちゃんに駆け寄った。

「もう大丈夫だよリカちゃん」

美音ちゃんはニッコリ笑って、私を守りながら下っ端タイツ達をやっつけて湊の元に運んでくれた。

周りの人達も美音ちゃんが休業中のピンクと気付き、嬉しそうに動画撮影。
こんな間近で怪人とレンジャーが闘うなんて
めったに見れるもんじゃないしね。
私だって初めてだよ。

美音ちゃんは堂々とイキイキしていた。
いつもの
シャイでおっとり天然の美音ちゃんじゃなくて

キラキラと輝いていた。

「こんな場所で騒くなんて信じられない。このピンクが地球のへいわ……」

「美音!」

上野の声が周りに響く。
戦隊ポーズを決めようとしていた美音ちゃんの動きが止まり、彼女はまたいつものシャイな恋する乙女に戻っていた。

「それでいいのか?」

上野がクールに美音ちゃんを指摘する。

「戦ったら終わりだぞ。もうここで俺達は終わる。それでいいのか?」

美音ちゃんの顔が崩れ
勇ましいレンジャー姿がただのコスプレに見えてきた。

美音ちゃん。

どーすんの?