「美音はレンジャー辞めたんだろ」
上野が美音ちゃんの手を握って彼女の目を見つめる。
言葉が出ない美音ちゃん。
「俺はレンジャーと付き合う気はない。今、警察が来るから待とう」
「だってリカちゃんが」
「プロに任せよう」
「私だってプロだもん」
「美音は俺の為に辞めたはず。復活するなら別れよう」
「上野君」
「俺と別れていいなら、ここで変身して戦えば?」
「だって……」
美音ちゃんは情けない顔で私を見る。
私はもう
カピパラのヨダレを目の前にして地獄を見ていた。
助けて美音ちゃん!
喰われて死ぬのは嫌っ!
「美音は俺とリカのどっちが大切?」
ひどい!
そこまで言う?
私と美音ちゃんは親友だよ。
ずっとずっと仲良しの親友だよ。
大切な親友なんだから
あんたなんかと繋がりがゼンゼン違うんだよっ!
「リカちゃーん」
美音ちゃんが叫ぶ。
「美音ちゃん助けてー」
私も叫ぶ。
すると
「ごめんねリカちゃん。すぐ警察来るからー」
って
叫ばれてしまった。
友情がガラガラと崩れてゆく。