とある日曜日。
私と湊と美音ちゃんと上野の4人でダブルデート。
ダブルデートも夢だったそうで
嬉しくて昨夜は寝れなかったそうだ。
美音ちゃんにレンジャーの影はない。
ふわふわボブの髪も輝き
唇にはグロスをつけ
パステルカラーが良く似合う可愛い女の子。
ごくごく普通女子になる。
この普通女子が気に入らなくて
家族の風当たりはまだ強いらしい。
ふたりの兄と弟が毎日プロレス技を仕掛けてきて、美音ちゃんのヤル気闘志を燃やそうとするけれど
美音ちゃんは家族で一番運動神経もよくて強くて
「燃やすのは脂肪だけ!」って言って負けないようだ。
政府からのアピールも続く。
どうもパープルさんとグリーンがデキてしまい
戦隊レンジャーの空気が悪く
戦いにも影響が出ていて、美音ちゃんに戻って来てほしいみたい。
でも美音ちゃんは恋に生きてるから無理だろう。
一昨日
ダブルデートはどこに行こうかと、昼休みに集まった。
4人でラウンドワンに行ってボーリングでも……って計画を練ると、美音ちゃんは急にポロリと涙を流した。
「美音ちゃんが嫌ならいいよ」って湊が言うと
「ちがうの。ボーリングもラウンドワンも行った事なくて、嬉しくて涙が出る」
そこまで言うか。
「じゃ、逆に今までどこに行った事ある?」湊が引きながら聞くと
「ゼビオとアルペンとオーソリティーと……」
スポーツ店かい
「吉野家と牛角」
肉かい。