「身体、壊すぞ」上野が心配そうに言う。

「……きっ、鍛えてるから、大丈夫」

返事が緊張してるし。

そして上野は再び美音ちゃんに言う。

「俺、山本は嫌いじゃないよ」

優しい顔と声でそう言われて
美音ちゃんは空も飛べそう
もう一度、怪人と戦えそう。

「話しやすいし一生懸命だし、照れ屋で面白い。今までにないタイプで楽しくやれるかも……でも、レンジャーはカンベン」

今度はカンベン言われて
ズズズズズンっと、私の隣で落ち込みまくる。

わかりやすい女の子。

「もし俺と付き合う気があるのなら、レンジャー辞めてほしい」

上野の言葉に残り3人驚いた。

「辞めたら俺の女にしてやる。可愛がってあげる」

そんな上から言葉を残し
美音ちゃんの髪をくしゃっと撫でて、カバンを持って席を立って帰ってしまった。

何あれ?
あの上から目線。

女にしてやるって何?はぁあ?可愛がってあげるって何だよ。
バカにしてるー!
いくら顔がいいからってねー。

ヒドイ奴だなーって、美音ちゃんとブーイングしようと思ったら

私の隣で美音ちゃんの目がハートになっていた。

ピンクレンジャーそのまんま。

「俺の女だって!リカちゃんっ!!!」

興奮さめやらず

すぐだまされるタイプだな。

おばあちゃんになったら
オレオレ詐欺に絶対引っ掛かるだろう。